| 【ヤングブラッド代表 清水利彦 徹夜行列奮闘記】
ご紹介したお二人ほどではないが、弊社・清水利彦もチケット発売前夜の6pmから、この行列に加わった。はじめは、深夜12時頃から並べばよいと思っていたが、「それでは遅すぎる」との巷の噂に急遽予定を変更して夕方6時から並び始めた。清水が到着したときには既に阪神百貨店を行列がほぼ一周していた。行列の顔ぶれを見て気が付いたのは、若い女性が多いこと。全体の3割近くいただろうか。こんなところで徹夜などして親は心配しないのだろうか、などと余計な気を遣ってしまう。
50近いオッサンである清水が地べたに座っているのは、格好の良い話ではない。なるべく人の目に触れないところに並ぶことができたら…という願いは大はずれ。百貨店西側の北新地飲食街につながる通りに面した、最も人通りの多いところに並ぶことになった。食事に行く人、勤めを終えて帰る人たちが好奇心いっぱいの目で我々の顔を見て通る。 「おっ、なんや、こいつら」 「甲子園のチケット買うために徹夜で並んでるらしいで」 「ひえー、ヒマやなぁ、仕事しとんのかいな」 ほろ酔い気分の若者達が大声をあげて通り過ぎるのを、「ほっといてくれ、俺達の気持ちがわかってたまるか。このチケットが優勝決定の日になれば、100万円の値打ちがつくかも知れへんで。」と心の中でつぶやきながら睨み返していた。
毛布を持参し、歩道の上に敷いて寝たのだが、コンクリートの硬さがモロに伝わってきて身体中が痛くなる。多くの人が段ボールを敷いて寝ていたが、それが正解。ホームレスの人達が段ボールを敷いているのは、毛布を買う金がないからではなく、段ボールのほうが寝心地が良いのだということを初めて知った。暖かい日だったが、それでも深夜になるとかなり冷えた。天気が良かったことは本当にラッキーだった。雨が降ったらどうなっていただろう。
翌日朝8時にチケット発売が開始されたが、窓口の数が少ないため、行列はなかなか前に進まない。実際にチケットを買えたのは正午12時だった。全部で18時間並んだことになるが、朝8時から12時までの最後の4時間が一番長く感じられた。清水の近くで並んでいた初老の夫婦は、奥様が午前11時頃、気分が悪くなってへたり込んでしまった。体の具合が悪くなっても、今さら、ここで列を離れるわけにはいかない。 「辛抱してや。もう少しやから、我慢してな」 と奥様の肩を抱きかかえるご主人の姿に、目頭が熱くなった。
どんなに苦しい思いをしても、阪神が勝ってくれて、優勝してくれれば、すべて報われる。我々阪神ファンの苦しみが歓喜に変わる瞬間は、もう既に秒読み段階である。
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