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真砂美は大阪生まれの甲子園球場育ちである。父親は船乗りで、長期に渡り海外に出かけていたので、幼い頃から親戚の叔父さんの家に行き、遊んでもらうことが多かった。この叔父さんがタイガース・ファンだったため、幼稚園の頃から甲子園球場へ野球の応援に連れていってもらい、ごく自然にタイガース・ファンとなった。
中学生となり、周囲の友人が恋多き年頃になっても、真砂美の眼は甲子園を向いていた。初めはブリーデン選手の太い腕に魅力を感じ、のちに掛布雅之、池田親興、桧山進次郎とその対象は変われど、彼女の憧れは常に阪神タイガースの選手であった。池田親興が結婚したときは、人目はばからず泣いたという。
高校を卒業するまでは、女の子同士でときどき応援に行く程度の、普通のファンだったそうだが、就職先の靴屋さんが半端ではないタイガース・ファンの巣窟だったため、真砂美の熱狂度は一挙にエスカレートする。会社の友人達と毎試合応援に駆けつけ、試合がないときは「六甲おろし」をボリューム一杯にかけ、クルマで夜の町を突っ走るヤンキーの生活をしていたそうだ。
1985年、阪神タイガースは見事優勝を果たすが、この時真砂美には困ったことが起きた。阪神の人気が高まりすぎて早くから並ばないとチケットが買えなくなってしまったのである。会社に居ても気もそぞろで仕事が手に着かなかった彼女は、思い切って会社を辞め、プータローとなって徹夜でチケット購入の行列に並び、全試合制覇を実現させる。
また、当時は宝塚に住んでいたが、勝って六甲おろしを歌うのが無上の喜びである彼女にとって、試合が長引いて帰りの電車がなくなることが最もつらいことであった。タクシーに乗って帰るくらいならと、ついに4年前甲子園に引っ越し、タイガース最優先の生活に入る。今、昼間は会社勤めだが、夜は阪神今津駅前の居酒屋「虎」(0798-35-0048)で働き、テレビにもしばしば出演する有名な虎キチ・マスター、大平洋一郎氏とあうんの呼吸で仕事をしている。次に優勝するときは、また会社を辞めてしまうかもしれない、と彼女は言う。
真砂美の虎グッズ・コレクションは有名で、街で虎のシマ模様が入っている商品を見つけると、どうしても買わずにはいられなくなるという。着ている洋服やアクセサリーは、どこか一部に必ず虎の縞柄が入っている。『常に虎のシマ模様を身につける女』として、讀賣テレビのタイガース特集番組にも出演し紹介された。
真砂美はいつも甲子園球場のアルプス席で応援している。最近タイガースが弱いせいか、周囲の男の人達が応援の声を出さないことが気になっている。皆で一緒に大きな声を出してタイガースを応援することが真砂美の願いである。負けると体中の力が抜け不機嫌になるが、勝って仲間と飲む酒は最高だ。弱いからこそ、「自分が応援してやらなあかん」と思う。
今度優勝したら結婚してもいいかな、と彼女は言うが、やはり真砂美の相手は阪神タイガース・ファンの人以外は考えられないようだ。
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